2021年、新型コロナウイルス蔓延による混乱下、世界は地球温暖化・気候変動 リスクへの対策としてカーボンニュートラルに向け大きく舵を切りました。しかし2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が発生。物価高騰、資源の不足も相まって 世界は経済圏と産業構成の同時再編期に突入しています。
この状況を鑑み、私は当社の今後数カ年の経営ベクトルを規模拡大でなく 「経営の質の向上」に向けることとしました。 最新の中期経営計画IT-25（Inovation TANABE-25）において
- a）社会環境の変化を鑑みた「企業理念の再定義」の実行
- b)「タナベのありたい姿」を描き、この実現に向けた企業体格の設定
を指示し、この「ありたい姿」を実現するべき生産高、利益等の経営指標を3カ年の経営目標として設定しています。 経営の基本戦略は以下の3本です。
- ①ソリューション提案・技術開発力を柱とする顧客維持・拡大、付加価値向上
- ②システム化、カイゼン活動を柱とする品質向上・原価低減
- ③多様な働き方の導入と福利厚生アップデートを柱とする雇用満足度向上
この結果、当社の経営理念は「NEXT HEAT 熱で、未来に新しい温もりを」に生まれ変わりました。
また、生産高等を指標とする従来の経営手法に加えて、バランス・スコアカードの視点（財務、顧客、教育と成長、プロセス）、戦略マップ等の経営ツールを用いると共に、環境（ISO14001）、品質保証（ISO9001）、SDGs、多様性（ダイバーシティ）、DXを複合的に織込み、今後の社会情勢の先取りを目指し、全社・全部門を連携させた俯瞰的な経営戦略を展開しています。
市場に対しては、溶融炉、工業炉、FA設備等の基盤技術を維持強化しつつ、カーボンニュートラルや一部原子力を含む環境市場に向けた技術開発を行う一方、 高需要の電池材料向け製造設備には、高い要求性能と品質レベルを両立するべく、高い緊張感を持って取り組んでいます。
2022年に、当社は創立100周年を迎えることが出来ましたが、IT-25で掲げる「ありたい姿」は、現在の厳しい世界情勢下において、当社がステークホルダーの皆様と共に歩む道標になると確信しています。
株式会社タナベは、次の100年へ向けた前進を続けます。
株式会社タナベ 代表取締役社長
田辺 郁雄
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