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加熱炉

低温~高温で、処理物を温める、所定の温度まで加熱するために使用する装置を加熱炉と言います。タナベでは、近年ではCO2削減やカーボンニュートラルのこともあり電気式を推奨しています。

すぐわかるタナベのイメージ
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加熱炉とは

加熱炉とは、低温~高温で、処理物を温める、所定の温度まで加熱するために使用する装置です。温度を維持するために、熱を炉の内部に送り込みます。電気式やガス式など熱源でも装置が異なり、また処理物によって装置のサイズや構成も変わります。弊社では、近年ではCO2削減やカーボンニュートラルのこともあり電気式を推奨しています。

加熱炉の特長

低温~高温での装置計画が可能です。炉内雰囲気も種類があり不活性ガス(窒素、アルゴンなど)、酸化性ガス(酸素など)、還元ガス(水素、アンモニアなど)、浸炭ガス(一酸化炭素、炭化水素ガス)などがあります。連続炉、バッチ炉など処理時間に合わせた装置となります。扉を含めた自動化も対応できます。電気式、ガス式(都市ガス、プロパン、LNG)や液体燃料式(重油、灯油)などがあります。

加熱炉の原理・構造・仕組み

加熱炉の基本構造

加熱炉の原理

熱エネルギーを利用して対象物を加熱する炉です。対象範囲が広くあらゆる工業用途で使用されています。現在は電気炉とガス炉などがあります。

加熱方式

抵抗加熱

抵抗加熱は、電気抵抗を利用して熱を発生させる原理です。抵抗加熱炉では、導電性の高い原料を使用した加熱要素(ヒーター)が電流を通過し、ジュール熱と呼ばれる熱を発生させます。ヒーターは物体に直接接触し、熱を伝えることで物体を加熱します。

誘導加熱

誘導加熱は、高周波の電磁場を作り出し、物体内に誘導電流を生じさせて熱を発生させる原理です。誘導加熱炉では、高周波コイル(誘導コイル)が作られ、電磁場が物体に作用します。物体が電磁場にさらされると、物体内に誘導電流が発生し、ジュール熱が発生して物体が加熱されます。

冷却方式

加熱炉の冷却方式にはいくつかの一般的な方法があります。以下に、いくつかの代表的な冷却方式を説明します。

自然冷却(エアクーリング)

自然冷却は、加熱炉を加熱プロセスの終了後、ただ放置して自然に冷却させる方法です。これは、加熱炉の熱が自然に周囲環境に放熱されるため、簡単かつ低コストな冷却方式です。ただし、冷却時間が比較的長くなる場合があります。

強制冷却(ファン冷却)

強制冷却は、加熱炉の冷却速度を向上させるためにファンや冷却装置を使用する方法です。ファンは冷却空気を炉内に循環させ、熱を効率的に排出します。これにより、冷却時間を短縮できます。強制冷却は、冷却速度が重要なプロセスや、素早く次の工程に進む必要がある場合に有効です。

水冷却

水冷却は、水を使用して加熱炉を冷却する方法です。冷却水は炉内の冷却チャンネルやパイプを循環し、熱を吸収して排出します。水冷却は、高い冷却能力と制御性を持ち、高温や高熱負荷の状況で有効です。

ガス冷却

ガス冷却は、加熱炉をガスで冷却する方法です。一般的には、冷却ガスが加熱炉内を通り、熱を吸収して冷却します。この方式は、特に高温のプロセスや特定の原料の冷却に適しています。冷却ガスの種類には、窒素やヘリウム、アルゴンガスなどがあります。

加熱炉の冷却方式は、使用される原料やプロセスの要件に合わせて選択されます。冷却速度や冷却の均一性、エネルギー効率などの要素を考慮して適切な冷却方式を選択しています。

生産方式

バッチ式加熱炉

バッチ式加熱炉は、一度に一定量の原料(バッチ)を加熱する方式です。原料は炉内に投入され、一連の加熱プロセスが行われた後、取り出されます。加熱時間や温度はプロセスごとに調整できます。バッチごとに操作が必要であり、一度に処理できる原料量が限られています。処理毎に条件を変えることが可能です。

連続式加熱炉

連続式加熱炉は、原料が連続的に供給され、一定の速度で加熱される方式です。原料は炉内を通り、一連の加熱ゾーンを経て処理されます。連続的な供給と排出のため、バッチ式よりも高い生産性があります。加熱時間や温度は一定であり、プロセス全体を通して一様な品質を実現できます。

管状炉

管状炉は、長い管の中に原料を通し、その管の周囲を加熱する方式です。原料は一定の速度で流れ、加熱ゾーンを通過します。管状炉は連続式加熱炉の一形態であり、連続的な供給と一様な品質を実現します。また、管の形状と流れる原料の制御により、特定の反応や熱処理が可能です。

昇降式加熱炉

昇降式加熱炉は、加熱ゾーンを持つ昇降式のプラットフォームを使用して原料を加熱する方式です。原料はプラットフォームに載せられ、必要に応じて昇降されながら加熱されます。この方式は、原料の底面や側面への均一な加熱を可能にし、複雑な形状や大型の原料の処理に適しています。

ロータリーキルン

原料を回転させながら加熱する方式です。原料を回転させながら加熱することで均熱性、均一性が得られます。詳しくはこちら

雰囲気ガス

  • 大気雰囲気が対応可能です。
  • 不活性ガス雰囲気が対応可能です。窒素、アルゴンなどがあります。
  • 酸化性ガス雰囲気が対応可能です。酸素、水蒸気などがあります。酸素濃度についてはお問合せください。
  • 還元ガス雰囲気が対応可能です。水素、特殊ガスなどがありますが濃度、ガス特性の詳細をお問合せください。

加熱炉の製品ラインナップ

自動搬送加熱炉

異形素材の加熱装置。加熱後、次工程へ運ぶ搬送装置や炉自体が移動したり、素材をアームにて回収、搬送する工程などを含む特殊加熱装置です。 製品の詳細を見る

真空炉

セラミックス原料の乾燥用、焼成や特殊金属の焼成・乾燥用の真空炉です。製品の詳細を見る

メッシュベルトオーブン炉

異形物の処理物の連続乾燥、焼成用のメッシュベルトオーブン炉です。製品の詳細を見る

アニール炉(焼鈍炉)

エナメル線またはアルミ線を燃料ガスで直接還元燃焼させることにより、不活性雰囲気として光輝焼鈍が行える省エネ・高効率の送間焼鈍設備を提供しています。 製品の詳細を見る

焼付炉

エナメル線またはアルミ線を直燃式バーナと触媒燃焼熱回収方式を併用して運転する省エネ・高速タイプのエナメル線焼付炉を提供しています。 製品の詳細を見る

縦型高温炉

カーボンヒータ式の高温縦型加熱炉(ルツボタイプ)です。 製品の詳細を見る

加熱炉の付帯設備ラインナップ

搬送装置

炉と搬送装置を組み合わせた総合設備です。加熱炉間の処理物を移送する搬送装置も設計可能です。 製品の詳細を見る

排ガス装置

ガス式の排ガス装置を設計、製作が可能です。 製品の詳細を見る

空燃比制御装置

タッチパネルの操作でガス・エアコントロールダンパの開度を決定して空燃比制御させるプリセット方式の装置です。 製品の詳細を見る

導入までの流れ

  • お客様からご依頼内容に基づき、仕様検討と見積作成します(タナベで取り扱った事の無い原料の場合、検証テストを実施して、仕様検討を進めて行きます)。
  • お客様へ設備仕様および設備金額を提案します。
  • お客様からご注文があれば、設計・製作スタートします。
  • ご注文内容に変更が生じた場合には、変更内容に沿って、上記1〜3を繰り返します。
  • 製作完了後、現地へ搬入し、設置工事、試運転を行い、設備導入の流れとなります。

検証テスト

研究開発用途(品種改良や次世代粉体の開発)またはロータリーキルン化への検証としてお客様の熱処理ニーズに応じて設備導入に向けた検証試験が実施できます。

テスト取り組みの流れ

  • 打ち合わせ:打ち合わせにてテスト目的・希望条件を協議します。
  • テストプラン立案:打ち合わせ結果より、お客様の求めるテストプランを立案します。
  • 設備仕様への反映:お客様立ち合いのもと、テストを実施します。バッチ方式でも対応可能です。
  • テスト実施:温度条件や処理時間等データを整理し、計画に対してどのような結果だったか評価します。
  • 結果評価データまとめ:テスト結果を設備仕様へ反映し、設備仕様の提案を行います。

実証テスト・試験

アフターサービス

納入しました装置のメンテナンスを実施しています。半年から年次、その都度ご要望ください。弊社側はスーパーバイザー派遣のみや作業者を含む場合等お客様のご希望に沿った提案が可能です。

よくあるご質問

炉内温度の計測方法と制御方法は

炉内温度測定は温度測定器を炉内に設置して測定する方法、放射温度計のように非接触で測定する方法が主に使用する方法です。制御方法はその温度計を元に制御装置と接続し自動制御を行っています。

どの様な設備を作ることが出来ますか?

加熱炉、真空炉など加熱炉は多種多様です。温度、サイズ、使用材質、雰囲気などで変わってきます。お客様のニーズを聞きながらオーダーメード方式での装置、設備をご提供しています。

防爆仕様にすること出来ますか?

加熱炉自体を防爆仕様は出来ません。計装機器等は部分的に防爆仕様品を選定する事は出来ます。

試験装置はありますか?

加熱炉の小型テスト機があります。お客様の希望条件を聞きながら行っています。必要サンプル量、温度、雰囲気など様々な条件にて実施しています。試験装置がある場所は本社(新潟県糸魚川市)になります。

海外へ納入した実績はありますか?

各国への納入実績があります。加熱炉においてはアジア圏が多く、アメリカやフランスなども実績があります。

炉内雰囲気は何が出来ますか?

炉内雰囲気は大気雰囲気、不活性雰囲気などが主になります。アルゴンガスや窒素ガスなど対応可能です。

メンテナンス対応はして頂けるのでしょうか?

メンテナンスサポートは実施しております。弊社から提案及びお客様のご希望に沿った内容での半年点検や年次点検をしています。お客様の事業所や工場で設備メンテナンス作業者がいる場合は弊社から指導員のみ派遣し協力しながら実施する場合もあります。作業者を含めてのサポートも実施しております。

最大サイズはどの程度でしょうか

実績ですと最大サイズは連結しながらですが17m×11m×2mH円盤状の加熱炉を製作したこともあります。処理品を所定の場所に設置しヒータが設置された箱を上から被せるように設置し連結していく方式です。加熱炉は異なる仕様が多いためお客様のニーズを聞き、最適提案をさせていただいています。

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