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過熱水蒸気技術

飽和状態の水蒸気にさらに熱を加えることで発生する過熱水蒸気。高いエネルギー密度と熱効率を持ち、多くの工業プロセスや発電所などで使用されます。

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過熱水蒸気(SHS)とは

過熱水蒸気(かねつすいじょうき、英: super heated steam、略称:SHS)は、水蒸気の状態の一つで、飽和水蒸気温度(約100℃)を更に加熱したもので、無色透明の水蒸気(H₂O)ガスです。 一般的に、水が熱されて蒸気に変化する過程で、水蒸気が飽和状態になると、さらに熱を加えることで過熱水蒸気となります。 過熱水蒸気は、高いエネルギー密度と熱効率を持ち、多くの工業プロセスや発電所などで使用されます。

過熱水蒸気(SHS)の特性

①複合伝熱による急速加熱が可能

過熱水蒸気(SHS)は熱風と比較し4倍の熱エネルギーを保有(容積当たり)し、対流、輻射、凝縮の複合伝熱による加熱が可能です。

②炉内(処理雰囲気下)を極低酸素雰囲気化

過熱水蒸気雰囲気下は、不活性ガスと同様の極低酸素雰囲気効果が得られ、酸化抑制、熱分解処理、炭化処理が可能です。

過熱水蒸気(SHS)利用技術の分野・用途

自動車分野

  • アルミ合金(AC、ADC等)の切削加工切粉の洗浄脱脂
  • アルミ合金(AC、ADC等)のブリケットの洗浄脱脂
  • 異形材、板材、パーツ材の洗浄脱脂

金属素材分野

  • 各種金属の切削加工切粉の洗浄脱脂
    (銅合金系、鉄系、SUS系、特殊金属系:インコネル等)
  • 廃棄物・リサイクル材(UBC、シュレッダー材、ミックスメタル等)
  • 異形材、板材、パーツ材の洗浄脱脂

環境分野

  • 有価金属の回収(例:廃基板等)
  • 有機分の熱分解処理(カーボン系、プラ系、その他有機物)
  • 炭化処理(食品廃棄物、汚染土壌等)

化学粉体分野

  • 乾燥、焼成処理
  • 賦活処理
  • 有機物の除去処理

過熱水蒸気(SHS)システムの特徴

発火せずに処理が可能(安全・安定操業)

過熱水蒸気(SHS)の特性により、処理雰囲気下を極低酸素化する事で、炉内内部での燃焼を起こすことなく、安定した熱処理を実現します。

処理物の高品質化(付加価値向上)

不活性ガスと同等効果がある過熱水蒸気雰囲気下でする事で、処理物の酸化抑制効果による高品質化を図ります。
(酸化抑制および残留C量低減による金属溶解時の歩留まり向上、安全溶解)

ヒートリサイクルシステム(省エネ効果)

処理物のエネルギーと発生する排熱を最大限活用し、設備システム内でヒートリサイクルを行い、低ランニングコスト(省エネ化)を図ります。
(設備昇温用熱源、廃熱ボイラによる蒸気生成エネルギーとしての活用)

システムパターン

顧客ニーズおよび処理条件に応じた最適パターンをご提案致します。

【SH-ELS型】電気ヒータ加熱方式 外熱式ロータリーキルン

1)システム概要

電気ヒータを採用する事で容易な操業と緻密な温度コントロールが可能であり、高温域(~800℃)まで処理が可能なタイプ。

2)基本仕様

  • 処理温度:300~800℃(雰囲気温度)※希望温度に応じて選定します。
  • 雰囲気:過熱水蒸気
  • 熱源:電気

【SH-ELB型】電気ヒータ加熱方式 外熱式ロータリーキルン+廃熱ボイラシステム

1)システム概要

電気ヒータを採用する事で容易な操業と緻密な温度コントロールが可能であり、高温域(~800℃)まで処理が可能なタイプ。また、廃熱ボイラを採用する事で、蒸気生成エネルギーを省エネ化

2)基本仕様

  • 処理温度:300~800℃(雰囲気温度)※希望温度に応じて選定します。
  • 雰囲気:過熱水蒸気
  • 熱源:電気
  • 省エネ機器:廃熱ボイラ

【SH-HRS型】排熱活用方式 外熱式ロータリーキルン

1)システム概要

処理物のエネルギー(熱量)を最大限サーマルリサイクルした省エネタイプ。処理物の発熱量に合わせた最適な排ガス系を設計・排熱活用する事で飛躍的に処理原単価を低減します。

2)基本仕様

  • 処理温度:300~500℃(雰囲気温度)※希望温度に応じて選定します。
  • 雰囲気:過熱水蒸気
  • 熱源:排熱(ヒートブースタ排気ガス)

【SH-HRB型】排熱活用方式 外熱式ロータリーキルン+廃熱ボイラシステム

1)システム概要

処理物のエネルギー(熱量)を最大限サーマルリサイクルした省エネタイプ。処理物の発熱量に合わせた最適な排ガス系を設計・排熱活用する事で飛躍的に処理原単価を低減します。また、廃熱ボイラを採用する事で、蒸気生成エネルギーを省エネ化。

2)基本仕様

  • 処理温度:300~500℃(雰囲気温度)※希望温度に応じて選定します。
  • 雰囲気:過熱水蒸気
  • 熱源:排熱(ヒートブースタ排気ガス)
  • 省エネ機器:廃熱ボイラ

実証テスト(性能確認)

研究開発用途(品種改良や次世代粉体の開発)またはロータリーキルン化への検証としてお客様の熱処理ニーズに応じて設備導入に向けた検証試験が実施できます。

実証テストの流れ

  • 打ち合わせ
    打ち合わせにてテスト目的・希望条件を協議します。
  • テストプラン立案
    打ち合わせ結果より、お客様の求めるテストプランを立案します。
  • 設備仕様への反映
    お客様立ち合いのもと、テストを実施します。バッチ方式でも対応可能です。
  • テスト実施
    温度条件や処理時間等データを整理し、計画に対してどのような結果だったか評価します。
  • 結果評価データまとめ
    テスト結果を設備仕様へ反映し、設備仕様の提案を行います。

検証テスト・試験

ロータリーキルン実証装置(電気ヒータ式:ELS型)

1)システム概要

連続式ロータリーキルンであり、熱源を電気ヒータによる外熱加熱方式を採用している為、容易な温度コントロールが可能。

2)スペック

  • レトルト有効寸法:φ400×1300L
  • レトルト材質:SUS310S
  • 熱源:電気ヒータ
  • 雰囲気:過熱水蒸気
  • 制御温度:300~700℃(MAX)

小型バッチ式ロータリーキルン実証装置(電気ヒータ式:ELS型)

1)システム概要

小型バッチ式ロータリーキルンであり、電気ヒータによる容易な温度コントロールおよびバッチによる少ロットサンプルにおける性能評価も容易に可能。

2)スペック

  • レトルト有効寸法:φ400×600L
  • レトルト材質:SUS310S
  • 熱源:電気ヒータ
  • 雰囲気:過熱水蒸気、N2、Ar 等
  • 制御温度:300~800℃(MAX)

メッシュベルト式オーブン実証装置(熱風循環式:HRS型)

1)システム概要

熱風循環式のメッシュベルト式オーブン装置。ロータリーキルンで対応出来ない異形材やパーツ材のテスト性能評価が可能。

2)スペック

  • 炉内有効寸法:W500×H70×800L
  • メッシュ材質:SUS304
  • 熱源:排熱(熱風循環)
  • 雰囲気:過熱水蒸気
  • 制御温度:300~550℃(MAX)

バッチBOX炉

1)システム概要

簡易テスト用のBOXタイプ装置(バッチ式)

2)スペック

  • BOX投入容器寸法:□140×H100 × 2個投入可能
  • 熱源:電気ヒータ
  • 雰囲気:過熱水蒸気、N2、Ar 等
  • 制御温度:300~600℃(MAX)

特許技術

特4199758号 「混合物及び混合廃棄物の脱脂およびリサイクル装置」
特4134150号  「マグネシウム合金、マグネシウム合金を含む混合物の脱脂処理装置および脱脂処理方法」

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  • 鋳造事業部

    各種電気炉のトップメーカーとして培った技術で、中子が複数ある難度の高い鋳造を得意としています。

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  • 受託製造

    自社製品である電気炉、ロータリーキルン等の製造・加工設備を活用した受託製造事業です。

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